聖なる夜に口笛ふいて 4
「なに言ってんの、アニキ?!」 ばばあが口をきく前に、ヒデが声を上げていた。 「俺、やだよっ!なんで俺がおばさんに預けられんの?!俺は、俺はずっとアニキと一緒に・・・」 ただでさえ表情豊かな大きい目の縁に、早くも涙を盛り上げて睨むヒデを見返して、 答える代わりに小さく首を横に振った。 オレを倒れさせまいと寄りかかる体の重みはそのままに、 じっとりと脂汗を滲ませてるオレの顔を、グッと唇噛んで覗き込む。 泣かせて来たなぁ、とその嘘のない濡れた瞳を見ながら思った。 ヒデがオレにどういう愛情を求めてるのかは訊いたこともなかったが、 仮にオレがこいつの腕を掴んでベッドに引きずり込もうとしても、逃げたりしなかっただろう。 一途に向けられる心に一度も、言葉や態度で応えてやらなかった分、 こいつは泣く事で自分の想いを表し続けた。それがいつの間にかオレの心の支えになってた。 オレを想って泣いてくれるお前の存在が、癒しとかいう以上に生きてる理由だった。 「・・・アニキのばか!」 ・・・大丈夫。お前は大丈夫だ。オレがいなくなっても、ひとりにはしねぇから。 そう言ってやりたくて、口の端をなんとか引き上げてみせたつもりだが、 かえって歯を食い縛ってるようにしか見えなかったみたいだ。 「いいからオレに任せてろ・・・。悪いようにはしねぇ」 アニキの云う通りにしていればまずは心配要らない、とこの三年もの間に刷り込まれてるヒデがしゅんとして項垂れた。 オレがのろのろと次の言葉を発するまでの間、 ばばあはオレとヒデのあいだで交わされるやりとりの一部始終を、目を瞠ったままでジッと見守っていた。 オレがこいつに見せる態度に、内心では驚いてるに違いない。 これまでオレが、誰かに優しげな声で話しかけたりそんな目で見ることなど、一度だって無かったから。 が、もうばばあの前で虚勢を張らなくてもいいんだと、この期に及んでやっと肩の力が抜けた。 逐一言わなくても、このばばあなら分かってくれてるだろう。 恩知らずのオレが若さにあかせて荒れた挙句に道を外れちまっても、その沼から脱け出すことが出来なくなっても、 昔から何一つ変わらぬ態度でオレを迎えて言ってくれたひとだ。『おかえり、きよしさん』と、どんなときも。 自分の弱さ、限界をも含めて全てをさらけ出して頼ることの出来るばばあこそが、 オレにとって今やほんものの・・・母親だった。 「・・・オレな。仕事の用で遠くに行くことになったんだ・・・。ここにももう、今夜限りで顔を出せそうにねぇ」 「・・・」 「このヒデは・・・不良に絡まれてるのをオレがたまたま助けてやった。 そこから勝手にくっついてきてもう三年、オレから離れようとしねぇ・・・」 「・・・」 「・・・けど、今度ばかりは、オレはこいつを連れてくわけにはいかなくなった。 それで、あんたんところに連れて来たんだ・・・」 「・・・」 「こいつは・・・オレんとこ以外にどこにも帰る場所がねぇ。 そのうえこのとおりいい年して何んにも知らねぇ、赤ん坊みてぇなガキなんだよ、なぁ・・・」 自分の口からするすると出て来る言葉に、オレも驚いてた。 こいつに自分のことを詳しく知られるのが嫌で、五十鈴教会のことは一度も話したことはなかった。 こんなことにならなけりゃ、この先だって連れて来る気にはならなかっただろう。 どんなに振り払っても冷たくしても、なぜかオレを慕って付きまとうこいつが鬱陶しくて、煩わしかった。 こんなバカにオレの何が解る?それでもこの綺麗な目でじっと見つめられると、 全幅の信頼を寄せてることをそのまんま表すかのような笑顔を向けられると、 自分の奥底まで全部見透されてるみたいで、内心こっちがたじろいでしまう。 だがいつの間にか、オレは勝手に、自分はこいつに対して責任があると自然に思う様になってた。 こいつをひとりにしておけない。オレにくっついてるのはこいつの勝手だが、 アニキとして頼りないこいつを、オレが守ってやらなきゃいけない。はっきり言えば、悪い道に足を踏み込ませたくない。 片時も離れずにこいつが傍にいたことが、 ここに足を向けない三年間、どれほどオレの拠りどころになっていったか。 ぎりぎりのところでオレを自暴自棄にさせず、踏みとどまらせて来たか。 「頼む・・・。こいつをここで預かると・・約束してくれ、シスター・・!」 教会の階段に座り続けていた小さな子供を中に招じ入れ、そのままほとんど何も訊かずに置いてくれた時みたいに、 というのはド厚かましい頼みだと、十分承知の上だ。 でもオレは妙に確信してた。 撃たれた後、教会へ行かねばと思ったとき、自分に残された時間がもうあんまり無いってわかったとき。 金に関する書類を届けるのと同時に、オレの最後の力を振り絞ってでもしなきゃならないことは、 こいつの行く末だと。それを託せるのは、このひとをおいて他にはないと。それだけが一縷の望みだった。 「オレの部屋・・・にこいつを住ましてやってくれねぇか?云われたことは出来るから、 教会の雑用なら何でもやれる。・・・そして何でもいいから、そのうちどこか働き口・・・探してやって欲しい」 「・・・。働き口?」 黙って聞いていたばばあが、初めて低い声で問い返した。 後ろ暗いことをした若い男を、しばらくほとぼり冷めるまで匿って欲しいと頼まれているのではないことに気付いたようだ。 オレは察しのいいばばあにホッとしつつも、 自分なりの言葉には出せない罪滅ぼしの意味を込めて、ばばあの鋭く光る眼を見返し、答えた。 「あぁ・・・。ビル掃除でも土方でも何だっていい。そうだな・・・ケンカ以外ならたぶん何でもやれるだろ?」 ヒデを横目で見ると、目は下を向いたまま石みたいに固まってしまってオレの言葉も聞こえていないようだ。 恨まれても仕方ないな、と自嘲しつつオレはばばあに頼み込んだ。 「今度は・・・まっとうな堅気の仕事に。チンピラの子分、とかじゃなくってな・・・。 オレの代わりに、こいつに普通の生き方を教えてやってくれよ・・・お願いだ」 そいつは普通の人間の男の子には思えなかった。 見た目の話じゃない。 見た目で言うならば、白いダッフルコートとグレイのズボンを着て、 いつの間にかオレの前に立っていたそいつは、 くるくると渦を巻いて小さな象牙色した顔にまといつく髪型のせいか、非現実的なまでに天使の容貌をしていた。 はっきりと今でも覚えているのは、聖歌を歌うように耳にすんなりと入ってきた羽根みたいに柔らかな声。 それから惹き込まれそうに大きな艶やかな黒い瞳が、まばたきもせずにオレを見つめていたことだ。 中庭は、庭木の張り出した隣家の塀以外の三面を、ヒイラギと紅白の山茶花の高い垣根で囲んでいる。 密集して絡み合う枝葉のおかげで通りからはほとんど見えない。 通用口みたいなものもないから、庭に降りるには家の中からしか出られないことになっている。 つまり猫でもない限り、表からここに入り込むことは出来ないはずなのだ。 あの夜、いつもより長いミサが午後から礼拝堂で行われているあいだ、 二階の自室にこもっているオレは、読みかけの本にも没頭できずにいた。 シスターはこれまで一度も、オレにミサに参加しろとも聖書の勉強会に出なさいとも言わなかった。 自宅側と廊下で繋がっている教会のなかにはもちろん何度も入ったことがあるが、 人が出入りしているときには、オレは近づかなかった。 それがその年のイブの朝、向かい合ってトーストを無言で齧ってるテーブルで初めて、 『きよしさん。今夜のミサに参加してみませんか』 と問いかけて来たのだ。シスターの誘いに何も答えず・・・というか答えられないままに、 黙って席を立つとオレは家を出て行った。 あてなく歩いてとりあえず辿り着いたのは、近くの公園だった。 クリスマスというイベント日でもあるせいか、そう大きくないがそこそこいつも人がいる公園には、 ほとんど誰もいなかった。 オレは無人の砂場近くのベンチに座って、とぼとぼと犬を散歩させている老人の通り過ぎるのを見ていた。 シスターが教会の前に置き去りにされた子供を邪魔者扱いしていないことは、 何を言われなくてももう伝わっていたのに、素直にそれに感謝することがどうしても出来ないまま、 数年の時が過ぎてオレは十歳になっていた。 いまオレが着ているダウンは、信者から教会に寄付されたものだ。 ダウンだけじゃない、ニットキャップもシャツも靴も・・・。 未婚のシスターが、男の子を引き取り育てることになったと知った信者たちが、 自分の子供のお下がりなどをそれぞれ持ち寄ってくれたのだ。中には新品のものも混じっていた。が・・・。 オレがここにいるのは、オレのせいじゃない。 教会に拾われて、知らない信者たちから恵んでもらった服や靴を着て生活してるのは、オレが悪いんじゃない。 そんな思いをずっとオレが密かに持ち続けていようとは、シスターも気づいていないだろう。 知っているのは、そう・・・、あの中庭の忌々しいほど無邪気な天使の像だけ。 今まで一度も言わなかったくせに、 急にイブの朝になってミサの話を持ち出したシスターに反感を抱き、反射的に逃げ出して来た。 ミサに参加すれば寄付をしてくれた信者たちにも当然会うことになるが、 顔を合わせていったい何を言えばいいんだろう。お礼?明るいクリスマスの挨拶? ガキなりに『かわいそうに』という目で見られる自分の立場くらいは分かっている。 やがて雪がちらつき始めた。 公園に居られないほど寒くなると、しんしんと降る雪のなか、ただ闇雲に歩き回って時間を潰した。 そのうち腹が減って我慢できなくなりこっそりと家に戻ると、 ミサはもう始まる頃なのかシスターは教会の方に行っていて居なかった。朝のテーブルの上に、 ラップをかけたおにぎりと卵焼き、お茶などが置いてあった。 ひとりで黙々とそれを口にしていると、 人々の立てるドアの音や話し声が外から聞こえ始めた。やがてひとしきりの賑わいのあとで静まり返る。 そこからオルガンの音色が流れて最初の讃美歌が聴こえてきた。 オレはそれを耳にした時から、また胸が苦しくなっていた。 自室に戻り本を開いてみたものの、落ち着かない。 卑屈な思いを抱えたまましばらく部屋のなかで立ったり座ったりしていたが、 ついに我慢できないほど居たたまれず本を乱暴に閉じたオレは、急に中庭に出ようと思いついた。 何故そんな気になったのかは分からない。 だが、もう子供ひとりで夜の路上に出てゆく無謀さは分かっていた。どこかに逃げ出したいと思ったとき、 教会の反対側にある中庭のことが、フッと塞いだ胸に浮かび上がったのだ。 中庭へのドアは一階の廊下の突き当りにある。 家側の玄関に靴を取りに行きながら、シスターは庭に出ることがあるのか、と脈絡もなく疑問が浮かんだ。 少なくともオレはここに住んでいてまだそれを見たことはなかった。 あの厳格に規律を守る暮らしを徹底させているシスターが、 オレが学校に行っていない間に、ベンチに腰を下ろして本を読んだり息抜きしたりすることもあるんだろうか。 オレの想像を肯定するかのように、ドアの錠を縦に戻してノブを捻ると抵抗なくスムーズに開いた。 冷たい外気が流れ込み、思わずドアを閉めそうになる。が、何とかこらえて靴に足先を突っ込んだ。 中庭に出ると雪はもう止んでいて、ふんわりと薄く積もった真っ白な雪の上にオレの靴跡が綺麗についた。 上から覗き込んでいた印象よりも、四角の庭は広く感じた。 初めて天使の像の正面に立つと、腰布以外なにも着けていない姿がさすがに寒々しい。 雪と同じく白さが反射するその像越し、群青色をもっと濃くした空を仰げば、意外なほど沢山の星が見えた。 高いところを吹く冷たい風に震えるように、どの星もちかちかと小さく瞬いていた。 朝から抱えて来た重たい空気を入れ替えたくて、オレは胸いっぱいに凍える空気を吸い込んだ。 空から顔を戻すと、途端にオレは肩が大きく跳ね上がるほど驚いていた。 いつの間にか、ひとりの少年が目の前にいた。 天使の像の立つ水の枯れた水盤の後ろからひょこっと顔だけ覗かせていたそいつは、 侵入者のくせして住人のオレを飛び上がらせておきながら、 蕾のような赤い唇に最初からはにかんだような笑みを浮かべていた。 『・・・なんだお前・・・?どこから入った!?』 即座にオレは鋭く声を上げていた。 いかなる時にも取り乱すことのないシスターの影響か、オレは滅多に驚いたり感情を露わにすることは無かった。 そんな自分を不意打ちで脅かした小さな侵入者に、疑問より先に反感を持ったのだ。 ところがそいつは怯えたり戸惑ったりの表情すら見せず、出て来てオレの前に向き合ったかと思うと、 大きな瞳でオレを見上げながら親し気に話しかけてきた。 『君、ここに住んでる子供でしょ?僕と遊ぼうよ、きよしくん』 まったく物怖じしないそいつは、オレの質問に答える前に最初から馴れ馴れしくそう言って、 首を可愛らしく傾げてみせた。左の頬に涙か星屑みたいないくつかの痣らしきものが見えた。 オレはそれに目を留め、何となく見た覚えがあると思いながらも、険しい目つきをそいつの顔から離さずに云った。 『は・・・?誰がお前なんかと遊ぶかよ。それよりお前こそどこの子供だ?親はミサに出てるのか?』 『・・・』 少年は何にも云わずに微笑んだ。ミサに無理やり連れてこられた子供が、 あまりの退屈さに勝手に教会を抜け出して敷地内をうろつくうちに、たまたまこの庭に入り込んだとすれば、 想像に易い。初対面のはずのオレの名前まで知ってるということは、親から聞いたに違いなかった。 小学校でも近所でも見かけたこともない、 まったく見ず知らずの自分より小さい少年に会ってすぐこうも馴れ馴れしく擦り寄られては、 気持ちのすさみきってたオレでなくたって、面食らうと同時に反発するに決まってる。 『帰れ。出てけ。・・・誰も好きでここに住んでるんじゃねぇよ!』 それは言う必要のない言葉だった。だが何も事情を知らないヤツにだからこそ、 八つ当たりで誰にも言えなかったことを吐き出してみたのだ。 するとそいつは、オレの心をその瞳の奥で見透かすように、優しく穏やかな声で言った。 『僕、いつも君の近くで君のことを見ていたんだよ。気が付かなかった?』 『っっ・・・?!し・・っ知るか!!』 教会を出入りして通学するところを、どこかから見られてたということだろうか。 『出てけったら出てけ!お前なんかオレは知らねーよ!二度と入ってくんな!』 だんだんと不気味になってきたオレは、自分のペースに自然に引き込もうとするそいつを追い出したくて、 ドンと肩を突き飛ばした。手加減するのを忘れていたせいか空気みたいに抵抗なく、 そいつはあっけなく跳ね飛ばられてその場に尻もちをつく。 その軽さに思わず自己嫌悪を持ち掛けたオレは、もう後も見ずに部屋に戻ろうと背を向けた。 『僕を忘れないで。きよしくん』 少し悲し気な声がオレの後を追ったが、無視してドアノブに手をかける。続いて聴こえてきた声は、 耳ではなくなぜかオレの胸のなかに直接響いてきたから、戦慄するほどオレは驚きその場に一瞬固まってしまった。 僕はずっと君のそばにいるから・・・。どこにいても一緒にいるから、僕を忘れないで。 約束だよ、きよしくん・・・ たった一度だけ会った、不思議な少年。たしかに会ったと言えるのかどうかは、オレ自身の記憶のなかでしかない。 何故ならそれが幽霊かクリスマスの見せた幻だと思うしかない、れっきとした証拠もある。 心に直接語り掛けられたその儚くなめらかな声に、恐る恐る振り返ると、 そこにはもう誰もいなかった。 それだけじゃない。 あいつが立っていた場所にも、そしてオレに突き飛ばされてたった今あいつが尻もちをついた跡も、 雪の上には何の痕跡も残されていなかったのだ。 ついていたのは、オレの靴跡だけ。 オレは怖さも忘れて庭の中をあちこち探し回ったが、 水盤の後ろにも絡んだ茂みにもベンチの下にも、どこにもあの小さな姿を見つけ出すことは出来なかった。 『・・・・・・・・』 呆然としてオレは、天使の像を見上げた。あいかわらず天を仰いでいるその貌を見たとき、 ハッと思わず息を呑んでいた。あの少年の貌についていた、どこかで見た覚えがあると感じた左頬の痣・・・。 ここにあったのだと今になって気づいた。 あいつは、天使が人間に姿を変えたものだったのか? それともすべては、オレが見たリアルすぎる夢・・・だったんだろうか。 あいつとの邂逅が、二十年近く経ったいまでもオレのなかに居座り続けてる。 それどころか、あいつが一方的に宣言した『約束』とやらが、 その後のケチな人生を歩むなかで徐々に疲れ果て、生きることにも世の中にも嫌気がさしてゆくオレを、 崖の向こうに堕ちる一歩手前で繋ぎ止めて来た気がする。 約束を真に受けてたわけじゃない。だってあいつはあれからただの一度だって、 オレの前に姿を現したことはなかったんだから。だから・・・ここからも出て行った。 にも拘わらず。オレは絶望しかけるたびに、繰り返しあいつの姿やあいつの言ったことを思い出してた。 ばばあにも学校の遊び仲間たちにももちろん誰にも言わず、夢だと半ば自分でも言い聞かせながら、 それでもどこか心の隅に引っかかって常に離れなかった。 幽霊だろうが夢だろうが何だっていい、とそのうち思う様になっていた。 オレのそばにずっといると・・・。どこにいても一緒にいるから、僕を忘れないでとあいつは言った。 どこにいるのかは分からないが、あいつがそう約束したからには、きっとそうしているんだろう。 中庭のあの孤独な像に酷似していたあいつが、いつかひょっこりと現れるかもしれない。 内心でそう期待してもいたから、オレは毎年イブの夜には、五十鈴教会に顔を出していたのだ。 もちろんばばあへの顔見せという義理もあったが。 ばばあがミサを執り行っている間、勝手に中庭に出てはみたが、 一度もあいつは現れずオレを肩透かしの気分にさせ続けた。 今年で行くのはもう止そうかと思っていたその年、ばばあから教会がなくなるかも知れないとの話を聞いた。 なくすわけにはいかない。その瞬間からオレの意志は、初めて抱くような強い願いに向けて走り始めたのだ。 オレの手で守る。教会も、ばばあも、そしてあの天使も。 目標を達成するまでは教会に近づかないと決めた年明けも間もないある大雪の日に・・・、 ヒデがオレの前に現れたのだった。 分館topに戻る
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