前回の神回から連続して出血大サービスはさすがになかろう・・・と、
つい期待してしまう己の心を戒めつつ(そうよ、これはあくまで必殺!BLドラマじゃないのよ!)視聴しましたが、
絡みは少なくとも随所に散りばめられた萌えや見どころに、朝から気分が高揚した次第です♪ ああ、殺しの話なのになぜに癒される・・・。今日もありがとう公式様! で、本話の大筋は江戸に出回りかけている、吸うと気持ちよくなる【葉っぱ】を巡り、 大麻中毒者による仁義なき殺人という展開から、 それを蝦夷地から仕入れて秘かに江戸で売りさばいている海産物問屋・弘前屋とヒロイン・右左駒の因縁へと繋がってゆきます。 大麻の味を覚えた十代の若者たちが、「なんか面白れぇことしてぇ―――!」と絶叫し、 たまたま隠れ家の外を通りかかった女に襲い掛かり、抵抗されるといきなり刺し殺してしまうという酷すぎるオープニング。 大麻はドラッグの作用として抑制系(ダウナー)と呼ばれ、脳の中枢神経の働きを麻痺させてしまうそうで。 いわゆる酔った状態です。リラックスしたり多幸感を得られる一方で、理性のコントロールが利かなくなります。 この連中もまったく無軌道な犯罪を繰り返してゆきます。 その最初の犠牲者になったのが先の女、常磐津の師匠・宇女若(うめわか)でした。 宇女若殺害の現場にたまたま駆け付けた夜回り夜勤中の八丁堀ですが、 現行犯逮捕には至らず、上司の田中様からきつい叱責を受ける。 いま町方では、どこからか出回る大麻の封じ込みと取り締まりに躍起になっているところ。 しかしこの時点では、中毒者による犯行とは結び付いておりません。 かわりに容疑者として捕まったのが、同じく常磐津の師匠・右左駒(うさこま)。 数日前に弟子を盗られたと逆上して、昼の日中に右左駒に対して刃傷ざたに及んだ宇女若を、八丁堀が仲裁したばかり。 それで右左駒が逆恨みをして宇女若を人に頼んで殺させた―――というのが逮捕するに至った見立てなんですが、 いやバカ単純すぎで無茶苦茶やろ!(# ゚Д゚) 必死で無実を訴えるも、とりあえず牢屋に入れられてしまう哀れな右左駒。すみませんねぇ、うちの八がポンコツで・・・。 しかしそんな彼女の潔白を固く信じている男がひとりおりました。 三味線屋の勇次。先日、店に修理を頼んだ三味線を引き取りに来た彼女が試し弾きするのを目の当たりにした勇次、 珍しく自らも一棹手に取ると即興でセッションしてしまいます。 それだけ右左駒の音に鬼気迫るもの、聴く者に訴えるなにかがあったという事ですね。 「あんな三味線を弾く女が人殺しなんかできるわけがねぇ」 珍しく自ら八丁堀に接近し、陰ながら口添えをする勇次に、なぜそんなにあの女を庇うのかと尋ねる八丁堀。 大抵、秀が相手ならば「さては惚れたか?」などとからかうけれど、 さすがに大人の男にそんな野暮なツッコミはしない辺り、恋愛格差!と思わずニヤリとしてしまいました。 案の定、勇次の短い返答は、 「オレも三味線弾き。それだけだ」 く・・・くわこいいいいいいいいいいいい―――――――――――!!!(;゚∀゚)=3ハァハァ 後半で河原でふたり、念願の再セッションをする素晴らしい場面が出て来ましたが、 そのときの勇次の津軽三味線を聴いていて、ふとあらぬ情景が浮かびました。 母と旅をしていた幼い日々、勇次はおりくと共に北の方にも遠くさすらったことがあるのではないか。 後で出てくる右左駒の身の上話によると、 彼女の母は瞽女(ごぜ)だったそうです。瞽女とは盲目の女性旅芸人を指す総称で、 基本的に三味線を弾き歌を歌って門付(かどづけ)をしながら、山里を巡行し暮らしを立てる流離の民。 幼い日に母と北の地で死に別れた右左駒は、身重の母を捨てて去った父の存在をいまわの際に打ち明けられ、 江戸に行って父を探すようにと言い残されていたのです。 貧しく頼るよすがもなく旅を続けて、いつか野垂死にするしかない運命(さだめ)の女たちに、 おりくと勇次も過去に何度となく出逢っていた。 そんな中でおりくは、厳しい環境から生み出された津軽三味線の激しさや情念の発露に強く共鳴し、 自らもその演奏を学んで芸として取り込んだのではないか。 繊細で優しい音を奏でる一般的な三味線と違って、おりくさんが仕事の時に使う弾き方は、 撥を叩きつけるようでテンポが速く音数も多い。これぞ津軽三味線ならではのエモーショナル奏法では? もちろん倅に稽古をつける時にも、その手ほどきはしたでしょう。 シリーズ冒頭で、「おかあはん」とはんなり京ことばで母の世話を焼いていた勇さんですが、 ここでは母仕込みの三味線弾きの激しい情念を表現し、まさに本領発揮といったところ。 語られない母子の昔の記憶を想起させるような(勝手に)、じつに味な場面でありました! この回は八丁堀にも勇次にも、この案件に肩入れする理由が最初から提示されていますが、 長屋組にもちゃんと理由付けが用意されているところが、脚本のさりげない巧みさだと何様ですが感心しました。 すなわち、中毒者の若者たちによる第二の犠牲になったのが、秀たちと同じ長屋の住人カップルときたもんだ! 大工の棟梁の娘・お千代は父に弟子入りした竹三と、近く夫婦になる約束をしていました。 幸せいっぱいのふたりの初々しいやり取りを、加代と共に我がことのように見守るヒデエル。 が、ここでどうしても看過できないツッコミシーンが続出。 竹三が秀を訪ねてきて、お千代に贈る簪の相談をします。 あのなぁヒデエル、接客しながら服を着るなと何度言わせ・・・見せつければ気づくんだよっ(ゆさゆさ)! 無印からぜんぜん変わってねぇな。若い娘の前で半裸姿を晒した(きゃっ)かと思えば、 婚約者へのギフト(これって今でいう結納品というか婚約指輪的な?)のために真面目な相談をしてる竹三の話を、 中腰で半纏の帯を結びながら聞いてます(雑)。 天界ではマッパor腰布一丁が定番だろうけど、人間界にもルールがあるんだよ。さすがに目のやり場に困るだろ! この安定の天然記念物め!(笑顔) またどうでもいい用事(口実)を作って立ち寄った三味線屋さんにたまたまこの様子を目撃され、 『いくら野郎同士とはいえ、婿入り前の若ぇオスの心を惑わすなよ〜(見せるならオレの前だけにしろよ)』 『何の言いがかりだ!帰ぇれっ(# ゚Д゚)』 なんていうやりとりが交わされたであろうことが容易に想像(妄想)出来ますな・・・やれやれ┐(´д`)┌ しかも「簪って幾らくらいするんだ?」と竹三に訊かれてようやく着替えの終わった秀、 「おめぇがそんなこと心配しなくてもいいんだ」 ぬわ――んて、兄貴風を吹かせて頼もしく請け合います。くっ、ボンビーのくせにまっったかっこつけやがって!(泣) 前回の仕事料のために質入れしたものもまだ回収出来ていないとみえ、 竹三を笑顔で送り出した直後、 珍しくも食事を差し入れしてきた加代に嬉しそうに「いつもすまねぇな!」と無邪気に礼を言っております。 わああああ―――ヒデエルってば、がめつい加代にまで施されなきゃ食いっぱぐれるほどに困窮しているくせに、 簪はタダ同然で作ってやるつもりだな!! 天使すぎてついてけないわ、おばちゃん・・・( ;∀;) さて、そんな風に幸せを願っていた竹三とお千代が、無残にも大麻購入の金目当てであっけなく惨殺されてしまうのです。 やったのは例の三人組。竹三たちとは幼馴染みたいな旧知だったにもかかわらず。麻薬に魂まで浸食されてしまった模様。 言われなき暴力によって、 大切な娘と弟子を同時に失った棟梁の咽び泣く長屋に弔問に訪れたヒデエル、 出来上がった簪をお千代の亡骸にそっと挿してあげます。 この優しさがより一層、その場に居あわせた人々の涙を誘ってしまうのでしたが―――。 勇次サイド、秀サイド双方でのチェックポイントを挙げるだけでも無駄に長くなってしまいました(いつもの事だが)。 話をいきなり先に進めると、八丁堀に頼まれて女囚牢に入った加代が、 殺人の疑いで収監されたままの右左駒に接近します。 自分のことを語りたがらない彼女に取り入り、ついに過去を聞きだすことに成功。 今さらですが、加代って同性の敵を作らないホント性格のいい女だなぁ、と思ったんですよね! 厭味がないしガサツっちゃガサツだけど、相手の気持ちに垣根なく寄り添う本音の会話が出来る。 同性だけでなく男に対してもこびないところが清々しいですね (金になる相手とみれば分かりやすくこびるけど)。 こんな気の置けない友達が一人でもいたら心強いだろうな。 現代版でJKになったとしても、ぜったいイジメに加担しないタイプですね、 表立ってかばったりしないが、裏でうまく立ちまわって真実をどっかにリークしそうな(笑)。 本筋に話を戻します。 その後、証拠不十分か何かで放免になった右左駒と勇次が再会して、 先述したとおり屋外でのセッションが叶うわけです。そこに加代が登場。 右左駒から聞いた手がかりを元に、彼女の父親らしき男を探してみたところ、 それが弘前屋の主・久兵衛かもしれないという話を二人に聞かせるのでした。 右左駒はその夜、迷いつつも弘前屋を訪ねてゆきます。 折しも例の中毒三人衆が金もなくなり、 ついに売買元である弘前屋から直接大麻を奪おうと忍び込むところを目撃してしまいました。 ところがこんな事もあろうかと、久兵衛側でも用心棒が購入者の動きをいつも監視していたため、 三人衆は飛んで火にいる夏の虫状態で返り討ちに遭う!ざまぁですが、簡単に死にすぎるのは腹立つ。 こいつらも仕事にかけてやりたかったぜ! そしてその場面までも目撃してしまったところを気づかれて、弘前屋の中に引きずり込まれた右左駒。 主の久兵衛の前に引き出された彼女は、 久兵衛に母の形見の御守りを見せるが知らぬと言われる。 しかし母が、旅の途中で怪我した久兵衛の手当てをしたことからねんごろになったという証拠の傷あとを確かめて、 はっきりとこれが実の父だと悟るのです。 が、最後まで認めようとしない久兵衛に失望してその場から逃げ去ります。 なんと久兵衛は用心棒に命じて後を追わせ、酷いことに右左駒の口封じにかからせる・・・。 分かっていた顛末とはいえ、親が子を見捨てる話は胸にこたえます。 二話続きで、親に捨てられた上にさらに裏切られ命を落とすヒロインとは。 右左駒さんの醸し出すアンニュイな雰囲気と無闇なエロさの意味がずっと気になっていましたが、 最期まで普通に?正直で不憫な女性のままで終わりました。合掌。 追っ手に斬られるも瀕死で三味線屋を訪ねてきた右左駒の、 虫の息で告げた頼みを聞き入れた勇次によって、裏の仕事に持ち込まれます。 密談場所がどこかの古寺みたいで、仏像まで安置してあります。いいのかそんな場所で(笑)。 天井から吊られた蝋燭立てが振り子のように大きく揺れ続けている中での、仕事料受け渡しシーン。 光と影がそれぞれの仕事人たちを照らし出して雰囲気たっぷり。 中でも勇次の背後にある観音像の尊顔が、三味線屋さんの内面の読めない美貌と重なるようで(?)、 妖しくも暗示的な演出効果でした。 そして今回のお仕事シーンも! いや〜前回に引き続きというか、さらに萌えましたわ〜〜! 弘前屋の裏口に立ち、戦闘モードに入ったか裾を持ち上げ足をチラ見せする勇次!え、ただのサービス? そして掘割の方に視線を転じれば、暗い水の中から秀が浮かび上がります。 ぽたぽたと上から落ちる水滴だけで暗がりに潜む秀の位置を確認してから、勇次が裏木戸を叩く。 中から応対に出て来た男の前に不意打ちで飛び降りてきた秀がヤると見せかけて、最初に手を下したのはなんと勇次! 自分が仕事してる間に、秀を奥に行かせる作戦だったわけですね! 二人とも、一体どこで!いつの間に!!そんな細かな打ち合わせしてたんだよ!ぎゃあああ・・・!!!(!マーク乱打) さらに、天井から滴り落ちる水滴が抜群の効果をもたらして、 秀の仕事までの高まる緊張感を美しくスリリングに演出しており素晴らしかったです! 今度は肩車みたいに的の背中から乗っかって翻弄してからの、飛び降り際に急所に思い切り簪をぶっ刺すという最恐殺法。 勇次の仕事にはどんな時にも一糸乱れぬ冷徹さがありますが、 秀のバラエティに富んだ仕事には心の中の怒りや悔しさが滲み出るようで、 それぞれのらしさを互いに補い合うコンビプレイに、またも萌えをくすぐられました。 今回も締めの仕事シーンでも、 勇秀間の言葉を越えた信頼の深まりを(おそらく秀は認めてない)感じられて幸せでした(*´▽`*) 表題をまず見て、夜勤する主水にいたく同情した私ですが、 視聴するうちホントに仕事してんのか?と成果の上がらない勤務態度にほとほと呆れました。 田中様じゃないけどもうちょっとくらい熱入れろや!でも裏の仕事はむしろやる気満々だったな。 お読みいただき有難うございました! ★ 妄言ノ間「目次」に戻る
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