やった―――!久しぶりの視聴だ―――――!!
マグカップを手に画面の前に座って約十五分後、「ぶはっっっ」 盛大にコーヒーを吹いていました(汚)。

あの・・・公式様?
私はいったい『何』を見せられているのでしょう・・・?

↑これがこの回の主問です(震え)


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 しょっぱな、虫の音にうっとり耳を傾ける珍しく風流な加代(悪いがちっとも萌えない)。
 そんな加代を夜鷹と勘違いして絡んで来た酔っ払いと揉みあっていると、どこからか荒々しい物音が。 逃げる町人を浪人者ふたりが追ってきて、物も言わずに惨殺する。
 それを目撃してしまったくだんの酔っ払いも、口封じのためにあっという間に斬り捨てられてしまった! 加代は見つからず隠れて暗殺者たちの顔を見ていました。

 場面は変り、錺職人の長屋。注文の品の納期が遅れていると苦情を言う小間物屋に、ひたすら低頭謝罪の秀。 それを外から聞いている六十がらみの男がひとり。頭を下げて見送りに出た秀が、その人を見て声を上げる。
「おやじさん!」
 なんとそれは、秀の師匠・仲蔵でした。
 秀の過去について本人の口から語られる貴重なシーンです。ひとつ、父親がいないこと。 ふたつ、父親のいない秀を仲蔵さんが引き取って(ということは母親もすでにいなかった)自分ところに住まわせ、 手に職つけて生きていけるように錺職の技を仕込んだこと。 立場としては“親方”なのに“おやじさん”って呼んでいるところが、父親のように慕っていた心の表れですね(涙)。
 そして「汚いですけど」と謙遜しながら招き入れた部屋の中を見渡して、 「相変わらず綺麗にしてるな」との仲蔵さんの感想に、 修業時代からのストイックな暮らしぶりを妄…いや想像してキュンとしました(私が)。
 通常、職人に弟子入りしたら八年程の年季があると仮定すると、 もし六つか七つで親父さんに引き取られたとしても、年季明けは十五歳前後。 秀が裏の仕事に手を染めてしまったのは、おやじさんの家から独り立ちした後と考えられますが、 その後このガラスのハートの若者はどんな紆余曲折を経て、 二十歳すぎた頃には裏仕事から一時足を洗い、 年増の女将とつき合ったり気が向いたら細工を作るような無頼な日々を送るに至ったのでしょうか。
 無印の冒頭ですでにそうなってたってことは、 どんな過酷な思春期〜青春を送ってきたのだろう・・・。親父さんに対しては子どもみたいに笑う秀の表情に切なくなります。
注* ところで同志の方に後日教えて頂いた情報によると、無印でも親方が出てくる話があるらしく、 その設定は今回とは異なるそうです。公式様によるご都合設定は、二次創作させて頂く側としては大歓迎ですよ〜!(揉み手)

 さて久々に会う師匠ですが、訪ねてきた理由というのは秀がたった今謝っていた内容と同じでした。
 おやじさんは小間物屋・宝珠堂の娘の婚礼のために、近々簪を納めなければならないのですが、 肝心の細工に使う銀が手に入らないと悩んでいます。 秀は自分の仕事はそっちのけで(いつもの天使発動)、 おやじさんの使う銀を求めて江戸中の問屋を駆け回るのですが徒労に終わります。
 心配になり、おやじさんちに顔を出す秀。そこには一人娘のおゆきも笑顔で迎えてくれました。 「相変わらずその頭のまんまで」なんてからかわれて、照れる秀! や、やっぱり子供がそのまんま大きくなったんやね。 おやじさんもおゆきも口を出さずにありのままの秀を受け容れてくれてたんだね、超良い人たちだ・・・。
 銀がないなら、おっかさんの形見の簪をお嬢さんのために作り変えてと差し出すけなげな娘を制して、 蔵さんはこの道一筋五十年のキャリアを生かした秘策を秀とおゆきに打ち明けます。 すなわち、銀を使わずにそっくりの簪を作って期日に間に合わせると。 婚礼が終わって銀が手に入ったら、あらためて本物を作って取り換えて貰うようにすると。
 秀は危ぶみますがおやじさんの決意は固く、それ以上の口出しは出来ませんでした。

 帰って来た秀がロフトで寝転がって色々と考え込んでいるところに、
「いるかい?」
鼻唄でも聞こえてきそうなハイテンションでガラッと入ってきたのが、 よもやよもやの三味線屋――――Σ(゚∀゚ノ)ノキャ――――!!!!

 しょっぱなロフトを見上げる勇次、秀(猫)の定位置を把握済み。お泊り回のときにも迷わず駆けあがったもんな!
 上から覗いて、
「・・・なんだおめぇか」
とさも馴染んだ相手のように目を逸らして呟く秀の塩対応。照れ隠しとしか思えないんですけど(キャッキャッ)!
 勇次にしてみれば、前回の八丁堀にお灸もすえたことだし“今度はオレの番だぜ”と勢いつけて乗り込んだと。 そんでもって口実は知り合いの芸者にどーしてもと簪を頼まれたというものでしたが、銀がないと答えた秀への提案はというと、
「じゃあオレに弟子入りしねぇか?」


・・・・・・・・ファッッ?


 問題の解決になってなくね?てか、根本から覆してるし。
 は?と引いてる秀に、三味線の張り替えのほうが仕事になるしと自分ペースに話を勧めようとする口車の勇次です。 つまりそれってうちに来て弟子入りしろっつーことっすよね。
 勇さん!いっそはっきり言っちまいな!『オレに弟子(よめ)入りしねぇか?』 ってよ。遠回しじゃ天然っ子には通じないんだからよ!!

 案の定、秀には得意の「プイッ」で秒で却下されてしまいます。 自分だけお茶飲んでるフリしてるし。(おやじさんには出してあげてた)
 しかし色の手練れは凹むでもなく、江戸から銀が消えた理由については、
「どっかにあるんじゃねぇか?」
とサラッと陰謀説を匂わせるあたり、ただ口説くばかりでないデキる仕事人の鋭さが光っております。(贔屓目線)
 しかし秀が話に乗ってきたあたりでスッと引いてしまう。このイジワル・・・秀の困り顔がそんなに見たいのか・・・くくく。
「ま、オレには銀のことなんか関係ねぇし〜困ったな〜芸者に何て言おうかな〜」
などとチャラそうにまぜっかえされた秀、カチーンときて
「もう出てけ(# ゚Д゚)!」
とまんまと色悪の手口に引っかかっておりました〜はーい終了(ハート目)!
『怒ったということは・・・さては妬いてるんだな、秀』(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
と、大満足で退散するポジティブ三味線屋さんの背中が目に浮かぶようです。(当初の目的はうやむやのまま)
 ホントに何しに来たんだ!!暇なの?おっかさん留守だと昼間から遊び歩く男w  はあ〜この場面だけで三杯飯イケる。公式様ごちになりますた――――!!!

 ・・・と、最後まで観る前に満腹になりかけましたが(げふっ)、まだ話はこれからなんですよね。 銀の問題なにも進んでない。(やっと我に返る)
 ってことで事情を思いっきり端折ると(オイ!)、銀を買い占めていたのは、金銀問屋の石見屋でした。 勘定方次席の久坂主善と組んで銀を貯め込み、売値を思い切り釣り上げて大儲けした暁には、 互いの出世のために金をばらまこうという。
 まさに絵に描いたような悪だくみですね。 しかしその分かりやすい陰謀のために、石見屋敷地内に秘密裡に作られた隠し蔵の建設に携わった大工たちは、 報酬のかわりに口封じに殺されてしまっていたのです!
 加代が最初に目撃したのは、逃げようとした大工と石見屋に飼われている浪人者だったのでした。

 問屋として小間物屋の婚礼に出席した石見屋ですが、 娘の髪を飾る簪が銀でないことにはもちろん気づく。 しかし銀の値が上がる前に、別素材のこんな完成度高い細工が出回っては元も子もない。
 そこで一計を案じ、婚礼前の衆目の面前で簪がまがい物だと吹聴します。 私利私欲しか考えておらず、やることがとことんクズ。
 おかげで婚礼をぶっ潰されたうえ面目を失した宝珠堂は親子三人心中して果て、 それを知った仲蔵さんも罪の償いのためか喉を突いて自害してしまうのでした・・・

 夜明け前の秀の長屋にやって来たおゆき。泣き崩れるおゆきから信じられない話を聞かされ、 父とも慕ってきた恩人のご遺体と対面する秀・・・。
 悲惨すぎる愁嘆場のシーンで、ひとつ秀の思いっっきり天然なところが、私を悲しみに浸らせてくれませんでした。 頼るひとが秀さんしかいなかった、押しかけてごめんなさいと謝るおゆきに、 秀は謝る理由などないと言わんばかりに口走ります。
「おゆきちゃんは俺にとって妹みたいなもんだからよ・・・!」
 この一言にハッと顔を上げたときのおゆきのなんとも言えない表情に、悪いけど笑った・・・(滝汗感)。 父親をこんな形で亡くした衝撃も冷めやらぬうちに、 その(余計な)一言はショックに追い打ちをかけたと思うよ、ヒデエル!!!( ;∀;) 
 天使すぎて娘心に気づかなかったんでしょうか、さすがは天然記念物。 仲間たちがその場にいたら頭を抱えていたことでしょう。

 怒りに燃えつつ、石見屋の屋敷の屋根裏に潜って事のからくりを探った秀。 非道な殺しを見た加代も、秀と同様に裏の仕事にしたがりますが、陰謀に偉いさんが絡んでいるのを知った八丁堀は腰が引けます。
「あんたはいっつもそうだ!俺はひとりでもやる!」
 ムリだと止めても突っ走りかねない秀のために八丁堀が加代に命じたのは、三味線屋も引っ張り出すことでした。 グッジョブ八ちゃん!
 表の仕事中にやってくる加代を本気で迷惑がってる勇次。
「あんまりしつこいとこいつ(糸)がおめぇの首に巻き付くぜ・・・」
 秀には絶対こんな態度取らんだろ。まあ秀にそんな威嚇しようもんなら、 逆ギレされて果たし合いになるのは間違いないけどな。
 その脅しにも引かずに勇次とタイマンで睨み合う加代です。 例の悲恋の一件から、加代も凄みをチラ見せするようになってきたような。 勇次もあれから加代を仕事人として認めたのか、 このメンチ切りでも自分のほうからニヤリとして緊張を解き、負けて?やる。 ここで笑ってみせるのは、他の二人の男には出来ないモテ男の余裕でしょう(惚々)。

 質屋から出て来る秀。八丁堀から依頼人がいないと言われて、「金を作りゃいいんだろ!」って言ってたけど、 ホントに私物を質入れして金作ったんだね・・・。
 どうしてそんなにボンビーなの?いつ見ても働いてるのに不憫が過ぎる・・・。 やっぱり三味線屋に弟子(よめ)入りしたほうがいいのでは?(ボソッ)

 なけなしの三両を隠れ屋で仲間の前に並べてみせた秀に、珍しく恐縮している八丁堀。 まさかほんとに金を作ってくるとは。
「悪かったなぁ」
 素直に口にする八丁堀の言葉に、独り言を言うようにして秀が初めて打ち明けます。 今度のことで錺職人がひとり命を絶ったこと。それが自分の師匠だったこと。
 これを聞いたときの勇次の表情の変化が秀逸でした。 銀なんか関係ねぇ、なんて秀の真剣さを軽くはぐらかしたが、よもやこんなに多くの犠牲者が出るような悪が絡んでいたとは。
 その後悔?を表すかのように、仕事前シーンでは秀よりも勇次の支度に多くのカットが割かれております(喜)。 鬢のおくれ毛はまさかのWセットWだったんか――い! そういやシリーズの初頭では、櫛でおくれ毛を撫で付ける鏡越しのシーンがありましたが、 いまはわざと垂らす仕様に変えたんですね。そのほうが仕事の気合が入るからとか?視覚的にも大歓迎のバージョンアップです!
 いつも手伝ってくれるおっかさんは旅に出てしまったのでしょうか。 今夜はひとり身支度の勇さんですが、 羽織りを纏うとき片膝ついた状態でクルリと回る、 誰も見てない部屋でも完ぺきなポーズでキメるところ・・・好きすぎてつらい・・・。
 裏用の仕込み糸がいくつも丸めて綺麗にストックしてあるところにも萌えました。 糸を素早く確実に切るために爪の先も磨いてることだろう。 この入念な準備あってこその三味線屋勇次なんですねっ。
 今日の気づき『美男は一日にしてならず』

 石見屋に押し込む仕事シーンは、三人がそれぞれ二人ずつ仕留めていつもより多く見せ場がありましたが、 なんと言っても秀の攻撃スタイルの奇抜さに倒れました(的だけじゃなく私も)。 なんと前から的に飛びついて、両手両足で抱きつき頭を抱え込む格好で視覚・動きを奪い首を狙うという・・・。
 これは細くて身軽な秀でなければ双方バランスを崩す怖れもある、かなり危険な殺法と見た。 しかし、殺られる側としても最期に良い思いが出来て良かったはず。(は?) まさに大天使による死の抱擁―--。きっと恍惚とした表情で地獄に堕ちたことでありましょう!?
 さらに今回の仕事シーンで見逃せなかったのは、 勇次と秀が互いの仕事を見届けているのが分かるカメラワークでした。 しかも横目で見届けた後、チラッと口許に微かな笑みすら浮かべ合っているふたり・・・、にゃ、、にゃにごとニャ!?(語彙崩壊)
 おやじさんの仇を討つ秀の心情を、誰よりも勇次が理解しているかのような以心伝心、 つーかそこに気づいてる秀と互いに意思を伝え合ってるという描写(うっとり)。 ああー、公式様による謎のサービスシーンに、今回もまたマタタビを貰った猫のように酔わされてしまいました。
 冒頭の主問の答えはズバリ、
『水面下で近づいてゆく三味線屋と錺師の距離』

 歓喜だ・・・生きる希望だ・・・。眼福とトキメキを今回もありがとうございました!!

 秀がこっそりとおゆきの様子を伺いに行くラスト・シーン。
 妹と言った後の表情で、やらかしたことにさすがのヒデエルも気づいたんでしょうかね(^^;)。 とは言え直接会うわけにはいかないのか、窓からそっと覗いてみるだけ。
 健気なおゆきは、生前おやじさんも言っていたように、手に職つけて一人で生きてゆく決意をした様子です。 悩みながらも真剣に細工に向かう姿、 きっといつの日にか腕のいい女錺師に成長してあの世のおやじさんを安心させてくれることでしょう。
 幸せを願いつつ、そっと立ち去るしかない秀がこれまた切なかったです。

●おまけ妄想
 この後、ひとりで暗い部屋に帰りたくなくて、仕返しとばかり三味線屋を訪ねたりするんじゃないでしょうか。 それを待ってたようにごく自然に迎え入れる勇次。
 他愛ない雑談でむりに明るく振る舞う、いつもより饒舌な秀に付き合って酒を呑むんでしょう(確信)。
 泊まれと言われ「帰ぇる・・・」と何度も言いながら酔いつぶれてしまう秀。 もちろん怪力色男がお布団まで姫抱っこでエスコートしてくれるはずですね?
 しかし "まだ" 手は出さない。しれっとアヒル口の味見くらいはしてそうですが・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

 久々なのでむだに力が入ってフルバージョンになりました。 ここまでのお付き合いありがとうございました!また次回(^^)v



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